【登山ギアレビュー】厳冬期必須の手袋、ブラックダイヤモンドソロイストフィンガー

ギア

皆さんは厳冬期用の手袋は持っていますか?

私は以前スノボ用の5本指の手袋を使っていましたが、末端冷え性なもので、指先が凍傷になるんじゃないかくらい冷えていました。

それを解決したのが、最強の保温力を持つオーバーグローブ、ブラックダイヤモンドのソロイストフィンガーです。

2シーズン使用したのでレビューします。

おすすめポイント
  • 保温性が抜群に良い
  • サイズ展開が豊富で自分に合うものが選べる
  • 操作性が良くピッケルやアイゼンの着脱ができる
  • 肌触りが良く冷えた素肌にも優しい
  • インナーの取り外しができる

ブラックダイヤモンドについて

もともとは世界のビッグウォールで活躍したクライマーのイヴォン・シュイナードが設立したクライミングギアの会社でした。それをブラックダイヤモンド社が引き継いで、現在ではクライミングギアだけでなく、バックカントリースキーやトレッキングなどで、ハードに使える高品質で信頼姓の高いギアを開発しています。

ソロイストフィンガー商品概要

対応温度-31℃
サイズXS、S、M、L、XL
重さ(ペア)238g(Mサイズ)、234g(Sサイズ実測)
カラーブラックのみ
インナー素材プリマロフト
アウター素材100%リサイクルポリエステル、ゴートレザー
防水透湿生地BD.Dry
インナーの取り外し可能
価格¥19,360 (税込)

構造

ソロイストフィンガーは3本指の構造です。5本指よりも暖かく、ミトンよりも操作性が良い、バランスのとれたグローブです。

5本指だと操作性は良いですが、指が分かれている分体温を奪われがちです。一方ミトンタイプは保温性は良いのですが、ピッケルやアイゼンの着脱などの操作ができません。

これらのいいとこどりをしたのが3本指タイプになります。

インナーの取り外しが可能で、ただのオーバーグローブとしても使用できます。

雪が入り込んでインナーが濡れてしまった場合などに取り替えることができるため、凍傷リスクと隣り合わせである雪山では重要な構造です。

インナーはマジックテープで固定されているので手袋を取るときにインナーがズルっと一緒に出てきてしまうことはありません。

左がアウター、右がインナー

ドローコードはゴムの方を引っ張れば絞ることができ、勝手にロックされます。緩めたい場合は、紐の方を引っ張れば簡単に緩めることができます。

ゴム(下)を引っ張ると締まる。ヒモ(左)を引っ張ると緩まる。

親指の一部にスエード生地のようなやわらかい素材が使われており、鼻水を拭うときなど、手袋で顔に触れるときに肌触りが良いです。キンキンに冷えている顔に、固いものが当たるとめちゃくちゃ痛いので、地味にありがたいポイントです。

保温性

インナーがふかふかで気持ちがいいです。

限界温度-31℃となっており、実際、厳冬期の唐松岳や谷川岳の稜線で風が吹いていても、手だけはポカポカです。

さすがに山頂でじっとしていると指先に冷えを感じることもありますが、5本指タイプよりも手袋の中で指を動かしやすいので、手をグーパー動かしているとかなり指先まで温まります。

また、裏地も柔らかく、冷えた手が優しく包まれて、手を入れた瞬間から暖かさを感じます。

時には暑すぎることも…
保温性がすごいが故に、天気の良い残雪期や、樹林帯で急登だったりすると暑すぎることがあります。持って行ったけど使わずにお荷物になっていることも多々ありますが、雪山では何があるかわからないので、お守りとして必ず持っていきます。

操作性

5本指タイプのグローブには劣りますが、ピッケルをしっかり保持することができますし、グローブをしたままアイゼンの着脱の可能です。

多少練習が必要ですが、慣れればいろいろな操作がグローブをしたまま行えるので、大抵の雪山では使用できます。

しかし、高度な登攀となるとロープワークなど、より繊細な操作が必要となるため、5本指タイプの方が良いかもしれません。ブラックダイヤモンドの「ソロイスト」が5本指タイプなので、そちらをおすすめします。

軽量性、携帯性

Mサイズ238g、Sサイズ234gと軽くはありませんが、この暖かさを考えれば重いとは言えません。雪山ですので、軽量化よりも安全性、快適性を重視した方がいいかなと思います。

また、携帯性もよくないです。ほとんど小さくならないので、ペットボトル1本分くらいの幅を取られることを覚悟しましょう。

ソロイストフィンガー(左)とナルゲン500ml(右)

サイズの選び方

私の場合「利き手の周囲の長さ」が19.5㎝程度で、ギリギリXSサイズに該当していましたが、インナーを付けることを考えて、Sサイズを購入しました。

素肌に付けた場合にややゆとりがありつつもブカブカ感はないです。インナー手袋をはめた状態だとかなりピタッとした感じになります。サイズ感的にはちょうどいいかなと思います。

なので、インナー手袋をしたまま使う場合は、ワンサイズ上げた方が良いと思います。

サイズの選び方は、「利き手の周囲の長さ」と「手のひらの付け根から中指の先までの長さ」を計って、長かった方をサイズ表と照らし合わせます。

XS:18.4~19.7cm
S:19.7~21cm
M:21.5~23cm
L:23~24cm
XL:24~25.4cm
※ロストアロー(ブラックダイヤモンド輸入代理店)から引用

まとめ

良い点

  • 保温性が抜群に良い
  • サイズ展開が豊富で自分に合うものが選べる
  • 操作性が良くピッケルやアイゼンの着脱ができる
  • 肌触りが良く冷えた素肌にも優しい
  • インナーの取り外しができる

悪い点

  • 重い
  • 携帯性が悪い
  • 使う場面によっては暑すぎる

あとがき

まず、ソロイストという名前が良いですよね。単独登山者のグローブって感じです。かっこいいです。

もちろんスペックも素晴らしい。-31度にも耐えられる抜群の保温力。これをつけておけば厳冬期の稜線でも恐いものなしです。

操作性について、最初はアイゼンの着脱ができなくて5本指のものに買い替えようか悩んでいました。

しかし、登山ガイドの方が3本指タイプでほとんどの操作をしていると聞いて、何度か練習したら、大抵のことはできるようになりました。

操作性も保温性も文句なしの末端冷え症の方には特におすすめのグローブです!

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