今回は、ピークは目指さず八ヶ岳にある本沢温泉で雪上テント泊をしてきました。映画ゆるキャン△の聖地だけに、ゆるくキャンプのみ。天気が悪く、計画していた山に行けないとわかった時はかなり落ち込みましたが、控えめに言って温泉最高!でした。静かな森の中、ただただ雪と温泉を楽しむ山行で、一人のんびりと癒されました。
本沢温泉までは危険個所はなく雪山初心者でも行けるルートです。積雪期のテント場の様子や温泉について紹介していきますので、雪山テント泊や開放的すぎる野天風呂に挑戦してみたい方の参考になればと思います!
本沢温泉について
本沢温泉は八ヶ岳の硫黄岳直下に湧く天然温泉で、日本最高所野天風呂(2150m)「雲上の湯」と、泉質の違う「石楠花の湯」(冬季限定)2つの温泉が楽しめます。
「雲上の湯」:混浴。17時(暗くなる前)まで。
「石楠花の湯」:1時間毎に男女入れ替え制。小屋泊の人は20時まで、日帰り・テント泊の人は17時まで。
テント場情報
- テントサイト:約15張(完全に雪に埋まっています)
- 予約:不要
- テント泊:1000円
- 温泉:野天1000円、内湯1000円(どちらも入る場合は2000円)
- 水場:あり(冬期も使用可)
- トイレ:小屋を超えた先にあり(徒歩5分)
- 地形:樹林帯
- 電波:なし(小屋まで行くと微弱にあります)※au回線
アクセス
埼玉からは車で3時間弱(みどり池入口駐車場)で行くことができます。
関越自動車道▶上信越自動車道▶中部横断自動車道(出口:八千穂高原IC)
コンビニは八千穂高原ICを降りてすぐの八千穂高原道の駅にファミマがあり、少し進んだ先にセブンとローソンが並んでいます。GoogleMapのルートではこのローソンが最終のコンビニになるのでトイレはここで行くといいと思います。カーナビだとそのまま国道141号を進むので、セブンとデイリーヤマザキがあり、さらに進むと松原湖沿いに公衆トイレもありました。
駐車場:みどり池入口駐車場(稲子湯唐沢橋登山口)
料金:無料
台数:約15台(冬期)
トイレ:なし
電波:あり
稲子湯旅館にトイレがありますが、徒歩で往復20分かかるため、稲子湯旅館の駐車場に停めるか、事前にコンビニ等で済まして行く方が良いでしょう。稲子湯旅館の駐車場は有料(300円/1日)で30台ほど停められるようです。
四駆ではないので雪が心配でしたが、うっすら積もっている程度だったので大丈夫でした。アイスリングのようにツルツルに凍っていることもあるようなので、最新の情報を見てから行くことをおすすめします。
登山ルート:稲子湯唐沢橋登山口から
1日目:稲子湯唐沢登山口 1:40▶ しらびそ小屋(ミドリ池) 1:25▶ 本沢温泉(3時間05分)
2日目:本沢温泉 1:20▶ しらびそ小屋(ミドリ池) 1:15▶ 稲子湯唐沢登山口(2時間35分)
総コースタイム:5時間40分(YAMAP)※夏山のコースタイム
山行詳細
09:20 駐車場はうっすら雪が積もっていましたが、前輪駆動でも大丈夫でした。平日9時過ぎで停まっているのは1台のみ。爆風の予定だったので日帰りの登山者はほとんど来ていなかったと思います。帰るときには8台停まっていましたが、みんなかなり余裕をもって停めているので、15台くらいしか停められないと思います。
9:30 登山開始。稲子湯唐沢登山口からゲートを超えて林道を進みます。しばらく平坦な道が続き、車道に出たりしますが、きれいな看板が出ているので迷うことはありません。
徐々に登りが増えて疲れてきたところに「こまどり沢」の看板があり、急登が始まります。みどり池まで40分!
11:30 しらびそ小屋到着。この日は定休日でしたが、年末(12月28日~1月07日)は営業しているようです。小屋の右奥にトイレがあり、200円で利用できます。
ミドリ池周辺にはベンチがたくさんあるため休憩を取るのにちょうどいいですが、風が強い日は風が吹き抜けるため、長居してると寒いかもしれません。
しばらく進むと中山峠と本沢温泉の分岐があるため本沢温泉方面へ進みます。またしばらく平坦な道を行き徐々に下っていきます。所々雪も深くなっています。(ミドリ池までは電波がありましたがこの辺りでなくなりました。)
下りきると本沢温泉まであと10分!
テントサイトの看板が見えてきますが、誰かが泊まった跡はなくふかふかの新雪が積もっていました。スノーショベル必携です!水場用の沢と毒沢を超えると本沢温泉が見えてきます。
13:00 本沢温泉到着。駐車場から約3時間半。やはり雪山テント泊装備は時間がかかりますね。本沢温泉の小屋でテント泊の受付をします。
テント泊代1000円、野天風呂1000円、内湯1000円で計3000円。チケットみたいなものは特に渡されなかったです。野天も内湯も両方利用する人はタオルがもらえます。ランチもやっているようで、外でうどんを食べている方がいました。
トイレは小屋を出て野天風呂方面に少し歩きます。右手に看板が見え、右に行くと冬期の仮設トイレのぼっとんが2つあります。すごく汚くはないけど特別きれいでもないです。トイレットペーパーは備え付けられています。
テント泊の人はこのトイレを利用しなければならないため、テント場からめちゃくちゃ遠いです。たった徒歩5分と思っていましたが、想像以上にめんどくさい!これは本沢温泉テント場の最大の欠点と言えるでしょう。
テントを設営していきます。誰もいないのでどこに建てるか悩みます。雪がさらさらでブロックなどは作れませんが、樹林帯なので風もそれほど吹きません。20㎝程掘ると土が出てたので、ペグは普通の無雪期用のアルミペグを使用しました。固い場所もありますが、踏んで押し込んだらなんとか刺さってくれました。
14:20 設営完了。コーヒーやおやつを食べながら、お風呂の計画を立てていきます。
今日の宿泊客は7人、テント泊は私のみ。宿泊客は17時半から夕食が始まるため、早めに野天に行って後で内湯に入る人が多いと宿の人から情報を得ました。野天は17時までなので遅めの16時以降ならだれとも被らず野天に入ることができるのではと考え、16時までに内湯に入り、16時過ぎに野天を狙う!
「石楠花の湯」はきれいな建物で脱衣所もしっかりあります。当然鍵付きロッカーなどはないので、信用するしかありません。この日は誰もいませんでした。洗い場はないですが桶が置いてあるので、かけ湯をして入ります。キンキンに冷えている指先には熱すぎる!しばらくかけ湯をして体を温めてから入浴。冷え切った体に源泉かけ流しの上質な温泉が染み渡ります。
野天「雲上の湯」は、テント場から10分。意外と登りもあり、温泉が見えてからの下る道はなかなか狭くて急です。アイゼンは履いていなかったので、滑らないように気を付けていきます。
16:10 野天「雲上の湯」到着!何も遮るものはありませんが、誰もいないので堂々と脱いで入浴。硫黄岳は雲に隠れていましたが、雪景色とあったかい温泉がもう極上です!裸見られるくらい良いかと思うくらい最高の温泉です。湯温もちょうどよくて出るタイミングを見失います。
さすがに日が落ちているのを感じたので退散。寒いけど身体はポカポカ。と思ったけどテント場に帰るまでに結構冷えます。ここでしっかりと着込んでいった方がいいと思います。
17:00 気温は-12℃。おなかも空いて温泉で温まった体がどんどん冷えてきました。真っ暗になる前に晩御飯の準備をしていきます。
ザックには1ミリも余裕がないので晩御飯はアルファ米一択。雪山で鍋とか憧れる。でもリゾッタもおいしいです。なにより3分でほかほかのご飯が食べれるのはありがたい。フリーズドライの味噌汁を付ければごちそうです。
キャプテンスタッグのガス缶は使用環境温度が10℃以上でしたが、温めながらなんとか使えました。一度つけば安定して火を維持してくれるので意外と優秀。
18:00 おなかも満たされてもうすでに眠いです。寝床は7Rのエアマットと厳冬期用の寝袋(最低使用温度-25度)を使用したのですが、意外と底冷えがして寒く、夜中に起きてビビィを寝袋にかぶせました。ナルゲン湯たんぽとか、寝る前にもっといろいろ準備しておけばよかった。
次の日、スマホが充電できなくなっていおり、YAMAPも活動再開できず、時計も持っていなかったので時間も全くわからくなりました。来た道を下山するだけなので問題はないのですが、なんだか不安です。スマホに依存しすぎですね。
朝起きたら10㎝くらい雪が積もっていました。前室が雪の重さで少したゆんで、前室に置いていた登山靴の中が雪だらけになっていました。
今回はゆるい行程ということもあり、いろいろと気を抜いていました。高山だったら命取りですね。今シーズンの最初がここでよかったと思います。次に活かします。
朝のコーヒーを楽しんでのんびり撤収。無事下山できました。
あとがき
野天風呂「雲上の湯」は開放的な景色と温泉が楽しめますが、混浴であることと、登山道からも見えてしまうことから女性にはハードル高いですよね。
誰とも被らずに入るためには、登山客が少ない日(積雪期、平日、悪天候)、日没ギリギリの時間帯を狙うことがポイントかと思います。あとは思い切りです。先に温泉の料金を払わなければならないので、払ったからには行かないともったいない!という気持ちで行きます!ただ「石楠花の湯」もとても気持ちがいいので、内湯だけでも十分価値があると思います!
雪山のテント泊は当然ですが寒いです。しかし本沢温泉は寝る前に温泉で体を温めることができ、万が一の時は通年営業の山小屋があるので、雪山テント泊デビューにもおすすめです。
秘湯や雪山テント泊に興味がある方はぜひ本沢温泉に行ってみてください。最高の癒しが待っています。
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