【残雪期奥穂高】2泊3日テント泊 厳しくも美しい雪の北アルプス!

登山

今年(2024年)の5月に残雪期の奥穂高に行ってきました。5月だと上の方はまだまだ雪が残っています。雪解けして穏やかな上高地と、雪と氷に覆われた険しい奥穂高のバラエティに富んだ北アルプス山行を2泊3日で堪能しました。

登山概要

奥穂高岳は長野県と岐阜県にまたがる飛騨山脈にある北アルプスの山です。

標高は3190m日本第3位の標高になります。山頂はゴツゴツとした岩場で360度見渡すことができ、北穂高岳、涸沢岳、前穂高岳、西穂高岳の峰々がみられます。残雪期ではピッケルや前爪アイゼンが必要なため、中級者向きの山となります。また、無雪期のコースタイムよりも遅くなるため、自分の体力と技術を見極めて山行を考える必要があります。

埼玉からは車で3時間半~4時間程度(さわんど駐車場)。マイカー規制があるため、駐車場から上高地まではバスに乗る必要があります。

ルート:上高地から往復ルート

1日目:上高地 1:43 徳澤園 1:05 横尾 2:45 涸沢(5時間33分)
2日目:涸沢 3:25 奥穂高岳 2:55 涸沢 2:20 横尾 1:00 徳澤園(9時間40分)
3日目:徳澤 1:43 上高地(1時間43分)

距離:36.1㎞
のぼり:2088m
くだり:2088m
総コースタイム:16時間56分(YAMAP)※夏山のコースタイムです。

駐車場:市営第3駐車場かすみ沢(沢渡バスターミナル)

料金:700円(1日)
台数:2000台
トイレ:あり

松本ICから行くと、国道158号線沿いの右手にある橋を渡り、さらに右折すると、バスターミナルが見えてきます。奥に進むとバスのチケット売り場と乗車場所がありますが、駐車場は少し手前を右折して下った所にあります。
トイレはバスターミナルにしかないので、車を停めた後に階段を登って行く必要があります。車中泊をする場合はやや不便です。
24時間出入り可能です。

シャトルバス:さわんど駐車場から上高地

料金:片道1500円 往復2800円
本数:15分~20分に1本
所要時間:約25分

上高地への道路はマイカー規制をしているため、シャトルバスやタクシーを利用する必要があります。最終バスが17:30上高地バスターミナル発なので注意。

山行詳細(1日目):上高地から涸沢

8:20上高地から登山スタートです。

きれいな整備された道を歩いていきます。道中ニリンソウが満開でとてもきれいでした。

11:15横尾山荘。横尾まではアップダウンは少なく比較的楽な道のりですが、意外とコースタイムを縮めることができません。

横尾は涸沢までちょうど半分のところで、トイレもベンチもたくさんあるのでゆっくりごはん休憩が可能です。

横尾の橋を渡ると本格的に登山道が始まります。40分くらいゆるく登った後、川を渡ります。橋の付近は広がっているところがあるので、そこで小休憩。

川を渡るときつい登りが始まります。ここから少しずつ雪道が始まります。

さらに1時間登ると、最後の急登と本格的に雪道が始まります。しっかりとアイゼンを履いてストックを使って登ります。しかし今日のゴールである涸沢のカールは見えているのに全然近づきません。雪山テント泊装備が肩に重くのしかかり、一歩一歩がとてつもなく重い。ここが一番精神的にキツかったかもしれません。(辛くて写真撮ってませんでした、、)

15:05涸沢ヒュッテ。横尾から涸沢まで夏道では2時間45分ですが、4時間弱かかってますね。雪道であることと、雪山テント泊の重い装備を背負っていることが響いてます。14:30くらいには着くかなと楽観的に考えていたので途中けっこう焦りました。

しかし余裕を持った到着ではあるので、涸沢ヒュッテで受付を済ませてテントを張って、雪で風よけ用のブロックも作ったりしました。受付でポテチも手に入れたので3時のおやつに食べながら、最高の天気の涸沢カールで夜までのんびり過ごします。

最終的にテントは20張ほどでした。まだまだ十分に余裕があります。涸沢のテント場広いので、混雑しても大丈夫です。ただ整地されているところは限られているので、スコップは必須です。

水は涸沢ヒュッテのテラスの脇に水道があり、テント泊の人もそこから自由に水がもらえます。流しっぱなしなので凍結もしていません。

トイレは涸沢ヒュッテ受付の向かいにあり、テント泊でも自由に使用できます。

山行詳細(2日目):涸沢から奥穂高岳

当初この日に帰宅する計画だったので、暗いうちに奥穂高岳にアタックする予定だったのですが、誰一人として暗いうちに出る気配がなく、ビビって出発できずにいると日が昇ってしまいました。

焦りを感じつつも、うっすらモルゲンロートっぽくなっててついつい見入ってしまいました。しかし、早く出発しないと下山で余裕がなくなってしまうので、みんなが嬉しそうに日の出を楽しんでいる中、後ろ髪を引かれながらひとりで出発。ちゃっかり後ろに付いて奥穂高岳まで行こうという甘えた計画は諦めました。

04:45 装備を軽くしてテント場を出発。積雪はそれほどないですが、直登ルートでかなり斜度もあります。

ザイテングラード中腹からの写真。奥に涸沢ヒュッテが見えます。

06:15 ザイテングラード中腹あたり。だいぶ登ってきました。涸沢ヒュッテがあんなに小っちゃく見えます。

ザイテングラードに入ると積雪が深くなり脛ぐらいまで埋まるようになります。前日に1人登っていた人がいたので、その方のトレースに感謝しながら、ありがたく利用させていただきました。それでもかなりの急登。きついです。

06:50 奥穂高山荘到着。

ザイテングラードを登り切った後は、山荘の手前までトラバースしながら登ります。かなり急斜面なので、滑落しないよう気を付けます。滑っても崖ではないのでケガとかはなさそうですが、一度滑ったらかなり下まで行きそうなので、時間的にも体力的にも絶対に滑りたくないところです。

涸沢から奥穂高山荘まで夏道2時間35分。装備が軽く、岩場も雪で覆われているため、思っていたよりも速いペースで歩くことができます。

奥穂高山荘に向かって左の方に歩いていくと奥穂高への登山道があります。少し登ったら梯子が2カ所あり、登って行きます。岩もごろごろ出ていてアイゼンでは歩きづらい道が続きます。

2カ所ほどこのような氷の壁が立ちはだかってきます。ピッケルは1本しかもっていないので、左手は岩をつかみ右手でピッケルを氷に確実に突き刺し、アイゼンの前爪を突き刺し、一歩一歩慎重に進んでいきます。ここでの滑落は落ちた先が岩と崖なので、ミスは許されません。登りは良かったのですが、下りは下を見ながら進まなければならないので、手に汗握りました。

奥穂高山荘からは登山道には積雪がない所が多く、岩が出ている状態です。

08:10 奥穂高岳山頂です!北アルプスの山々が一望できます。

下山時に2組のパーティとすれ違いました。ピッケル2本持っている人もいましたが、1本の人のほうがやや多い印象。1本でもなんとかなりましたが、氷の壁をトラバースしなければならない箇所が1カ所あり、そこだけは左手で掴める岩がなく、かなり怖かったです。2本持って行った方が安全ではあります。

11:20 涸沢テント場に戻ってきました。この日に帰るつもりでいたので急いで撤収。

14:00 横尾まで必死で下ってきましたが、歩き続けても最終バスまでかなりギリギリ。お昼ご飯も食べていなかったので、徳澤園でもう一泊することにしました。

15:20 徳澤園到着。カフェの営業が14時までと知り絶望。ピザとビールを楽しみにここまで頑張ってきたのに、、、。もうカップ麺でも何でもいいから腹を満たしたいと思い、売店に向かうとカップ麺はなくお菓子系のみでした。

お菓子ではなくちゃんとした温かいごはんが食べたかったので、調べたとことろキャンパー用夕食メニューがあることがわかり、急いで予約しに行きました。1日限定20食で、カレーライスと、おでん、ライスがあります。電話での予約はできず、当日17時までに売店で予約することで、17時以降に売店で受け取ることができます。

空っぽの胃におでんが染みわたりました。

山行詳細(3日目):徳澤園から上高地バスターミナル

土日だったので、テント場もかなり混雑していました。

上高地に近づくにつれどんどん人も増えて河童橋のあたりは大混雑。大型バスが次々と来ていました。人混みを抜けていそいそとバスに乗りました。

下山後は温泉。梓湖畔の湯に立ち寄りました。国道158号線沿いにあり、駐車場も広いので便利です。料金は750円でした。

まとめ

今回は2泊3日で奥穂高まで行ってきました。残雪期の奥穂高岳の雰囲気は伝ったでしょうか。

涸沢までは危険個所もないため、初心者でも雪山テント泊デビューができると思います。涸沢から奥穂高岳が本格的に雪山登山という感じだったので、ある程度雪山に慣れてから行くことをおすすめします。

徳澤園はお宿の方も素敵な場所と聞くので、2泊3日の行程ならお宿の方に泊まってみるのもいいかと思います。2泊3日だとのんびりできて最高ですが、休みが取れない場合は、小屋泊にして1泊2日で行くのもいいかもしれません。もちろん体力がある方はテント泊でも1泊2日でも全然可能だと思います。

山頂に着くと北アルプスの大絶景が見られ、苦労して登った達成感も感じられます。残雪期の奥穂高岳に行こうか悩んでる方はぜひこの記事を参考に、挑戦してみてください!

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